昨日のバグダッドでの爆破事件について
19日のバグダッドでの連続爆破事件はついに犠牲者101名、負傷者500名を
超えた。イラクでは今年最大級の惨事と言って良い。
イラクの現地TV局などは画面左上隅に喪章として黒い線を表示しながら
放送をしている。このような画面を見慣れてしまうのも困ったことだ。

【写真:事件を報道する20日付けAzzaman紙の一面】
さて、昨日は自分はこの事件の犯人像を占う器ではないと記したものの、
一応備忘録代わりに記しておく。
この事件の背景としては、アメリカ軍による2007年以来の治安作戦の
「成功」(あくまでもカッコ付き)と、オバマ大統領主導による米軍の
撤退計画について、米国政府筋の説明を額面通り信用できないという
ことではないかと思う。
ある解説者は、イラク現地の治安状況を見た上での撤退計画ではなく、
ブッシュ前政権との違いを強調し、公約に掲げたイラクからの早期
撤退を急ごうとするオバマ政権の政治判断が事を急ぎ過ぎた結果だと
している。
(この説明に対しても、米国のイラクでの覇権を維持したい名目だろう
との批判も成り立つことは承知しつつ、しかし現地の状況を見た場合、
先に期限ありきの撤退では事が簡単に行かない事も事実と考えます。)
今回の連続爆破事件については、6月30日に米軍が市街地から「撤退」
(カッコ付きのことばをいちいち使わなければいけないのがややこしくて
すみません)の後に、イラクの治安部隊(イラク軍とイラク警察)による
治安維持がうまく行っていないことを見せつけるために行われた攻撃で
あると解釈できる。
想定される犯人像としては、
1)いわゆるアルカイダ系と呼ばれる武装組織の者たち(※)
2)マリキ首相の権力強化に対抗して、マリキ政権による治安維持能力に
疑問符をつけたいシーア派の対抗勢力
3)スンニ派のイラクレジスタンスもしくは、スンニ派の自警団(覚醒委員会)の
一部でシーア派主体の現政権に不満を持つ者
(しかし、これほどの大規模な攻撃を統制を持って実行する能力があるとは
思われない)
4)やっぱり治安維持には米軍の駐留が必要だと思わせたい米軍の自作自演
(陰謀論好きで米国が大嫌いなイラク人に一番ウケる説ですが信憑性は?)
※事件後いち早くイラク政府筋は同様の爆破事件を未然に防ぎ、実行犯として
2名のアルカイダ系のメンバーを逮捕したと発表しているのだが、どこまで
これが信用できるのかは不明である。
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