3月25日~その日のバグダッド(4)
6日間のバスラ掃討作戦の後、イラク政府側とサドル派の間で停戦協定が
結ばれた。しかし主要な戦闘がこれで終わったことになっても、
現地での窮乏状況は簡単に終わらず、散発的な戦闘もまだ続いている。
バグダードでは外出禁止令が解かれる動きになったけれども、
シーア派地域のサドルシティなどはその対象から除かれており、
人々の苦難はまだ続いているのだ。
とりあえず、連載分としてはこれでいったん終わりとするが、
今後も必要に応じて情報掲載は続けたい。
4. バグダッド3月30日(日)夜 =バスラ掃討作戦開始6日目
外出禁止令のおかげで疲れきっていて2日前からひどい状況だったが、
つい先ほど良いニュースが伝えられた。イラキーヤTVによれば、明日の
朝6時からバグダッドの外出禁止令が解除されるとの話だ。前はひどく
危険だったので、このニュースを聞いてみな安堵している。
本当にひどいこの2日間だった。全ての物価は上がった。(正式には
店は空いていないが)人々はトマトや鶏肉を持ち寄っては売っていた。
しかし値段が高い。以前の4-5倍に上がった。パンも半分の大きさに
切って売っている。1個100gが50gになってしまった。私もお金が
ないので、物を買うために隣近所に借金をした。うちの近所はシーア派も
スンニ派もクルド人もキリスト教徒も仲良く暮らしている。
誰かが箱入りのトマトを持ってきて売っているが、これを買うために
長い列ができた。1kgのトマトが、以前は500イラクディナール
(約33セント)だったのが、現在は4,000イラクディナール
(約3.3ドル)する。鶏肉は2,000イラクディナールだったのが
4,000イラクディナールになった。携帯電話のプリペイドカードも
10ドルが20ドルになった。
しかし、明日から外出禁止令が解かれるのはありがたい。全ての蓄えを
使い尽くしてしまったところだから。タマネギ、ジャガイモ、などなど、
蓄えがなくなってしまった。バグダッドは暑くなってきて冷蔵庫なども
必要なのだが、冷蔵庫はだいぶ前に売ってしまったので持っていない。
ムクタダ・サドルが、多分、彼はイランのコムに居るのだが、指令を
出して、彼の支持者に銃を取り、警察やイラク軍を攻撃すること、イラク
人同士の血を流すことを禁じた。イラク政府の使者がバグダッドから
イランに向かい、イランで合意書をまとめた。イラク政府とサドル派の
間で9項目の合意文書をまとめた。最初の項目は、マリキ首相がバスラ
を離れてバグダッドに戻ることになっているが、実際どうなったか分か
らない。政府側のスポークスパースンのアリー・ダッバーグは、サドル
師側の提案を歓迎するとの声明を発表したけれども。
合意項目には政府側に逮捕された人々の釈放や、自宅に戻った者の
家屋の保証などが含まれている。合意はされたが、バグダッドのサドル
シティでは、まだアメリカの掃討作戦が続いている。バグダッド市内の
他のシーア派地区のシューラ地区やカダミーヤ地区も同様だ。多分明日
にはこれらの地区を去ると思うが。
イラク政府は武器、特に重火器を差し出すように求めている。この
3日間に回収されたのはカラシニコフなどの銃だけなので、その後
10日間の間に重火器を回収するように要請している。しかし実際に
どういうことになるのかわからない。
知人の話では、ニューバグダッド地区では路上に死体が転がっている。
シーア派の民兵同士の争いでマハディー軍が警察と戦い、また、バドル
旅団やダワ党の人々を殺傷している。マハディ軍が優勢で、これらの
人々の集まるところを爆破するなり襲撃するなどしている。危険でその
地区には近寄れない。米軍は駆けつけてもその地区に立ち入れないので
外から撃つだけ。上空のヘリコプターから爆撃をするだけだ。警察でも
サドル派の支持者がいて武器や自動車を提供している。政府系で働いて
いた人々が職を失い、サドルシティで武器を取って戦っているケースが
数多くある。警察や軍の制服を脱いで、武器を持ったままサドル派に
寝返っている。
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