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2008.01.19

イタリア、そして結局イラク

1月18日(金)

午後から(財)アジア福祉教育財団、難民事業本部主催の難民支援
懇談会に出席する。今回はイタリアにおける難民受け入れがテーマで、
昨年11月に行われた調査団の現地訪問の報告である。

イタリアは主に北アフリカから海路でやって来る移民、難民の欧州大陸
における最初の到達点になっている。
人権上は難民は受け入れるべきだが、欧州各国としては近年は移民も
含め不法滞在者が増えることには神経質になっていて、受け入れには
消極的な方向になっている。
イタリアも2002年の中道右派政権以来、政権の方針として不法移民に
対しては厳しく取り締まりの方針に当たる一方で、難民や人道的な保護を
必要とする人々に対しては公的保護の体制を整えてきた実績があると
するのがあらましである。

本筋とは離れたところで興味深かったのは、中央政府が法整備を整える
一方で、実際にそれを履行する段階で地方行政府の力の方が強く、
中央政府の強権もなかなか及ばないという話である。

私として、やはりつい思い浮かぶのはイラクだが、クルド地域、スンニ派
地域、シーア派地域の三地域の分割を考えるアメリカ方式の連邦制の
議論はさて置いても、実際に現場では地方の部族なり政治的な親玉の
力が強くなり、また一方でバグダードのイラク中央政府が調整の役割を
果たしきれていない現状を反映して、いちいち中央にお伺いを立てる間も
なく、地方(県単位)の行政府が実質的に現場を仕切っている実情がある。

イタリアと直接比べるのは少々強引ではあるが、地方行政府の力が強く
中央政府の強権も及ばないとの話を聞くと、やはりイラクのことを思わざる
を得ない。

イタリアのナポリで既存のゴミ処理場が満杯になり、自治体のゴミ収集
が機能しなくなって街がゴミであふれている様子が問題になっている。
これを伝える報道を聞いても、ナポリの属する行政区が他の地方にゴミの
受け入れを打診しても断られるという事情がある。
ゴミ収集と処理の利権にマフィアが絡んでいるので、単純な問題ではない
という事情もあるが、この問題にしても中央政府が調整を行うべきところが
十分な調整能力が発揮されているように見えない。

このイタリアとイラクがだぶって見える。

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