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2006.08.25

戦場の「キリング・フィールド」

こちら(アンマン)でニュースチェック用に定期的に見るTV局の中に
BBCやアルジャジーラ、アルアラビーヤの他に、イラクをはじめ、
中東の地元のTV局を入れている。

無論、言葉(アラビア語)が聞いてわかるレベルには遥かに達して
いないので、もっぱら映像や音が頼りだ。
そんな中にレバノンの亡くなったラフィック・ハリリ前首相の関係する
衛星TV局「Future TV」がある。

昨今の情勢を反映して、普段はベイルートをはじめレバノンに関する
ニュースを流している他、最近はレバノン復興に関する歌や宣伝の
フィルムも多い。

ある晩、このTV局にチャンネルを合わせると、アラビア語字幕つき
英語音声で映画をやっていた。
名作劇場と言った趣で上映されていたのは、カンボジア内戦の模様を
描いた映画「キリング・フィールド」だった。
ついつい引き込まれて不覚にも最後まで見てしまった。

しかし、今のレバノンやパレスチナなど中東の紛争地域の人々が
この映画を見てどう思うのだろうか。
私はクメール・ルージュに親を裏切るようにとの教育を受けている
子どもたちのシーンが恐ろしかった。

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2006.08.11

Oriental Rock & Arabic Jazz Concert in Amman

8月10日
今夜はロック&ジャズコンサートへ行く。

Poster_leb

”VIBELLUTION”というタイトルはバイブレーション(音の響き)と
リべレーション(解放)とイリュージョン(魔術)を思い起こさせる。
7ヨルダンディナール(約1,200円)という入場料は現地価格にすれば
決して安いとは言えない値段。(日本円の感覚だとこの3倍位だろうか)

この価格も然り、そしてポスターも、当日配られた寄付先の説明も、
コンサートの司会も全て英語と言う辺りも客筋を中産階級以上に想定している。
欧米系の外国人もいるかと思ったが見当たらず、みんなアラブ系の若者と
家族連れだったりする。
(それでも帰りに見ていたら車で来ている者が少なくない辺り、やはり
裕福な層だと思う)

Donate_1
(ちなみに無造作に引きちぎられた入場券もこっちらしい雰囲気がする。
 そういったことに本当にこだわらないのだ。)
 
出演者は全てタダで出演、コンサートの収益はヨルダンのレバノン大使館や
ハシミテ救援基金を通してレバノンやパレスチナの救援に使われるという
チャリティコンサートという趣旨だ。

19時半からの告知に合わせて会場に行くが、イベントはなかなか始まらない。
しかし、会場はボウリング上の屋上テラスで眺めが良く、またスポンサーが
無料のソフトドリンクとコーヒを配布するブースを設けているので、待ち時間も
苦にならない。(さすがにここではアルコール類は出ない)
結局始まったのは20時過ぎで、3バンドx30分弱の演奏+アンコールで
約2時間の催しだった。

出演バンドは順番に
1)UKロック風でMCも歌詞も英語のロックバンド"Illusions"
2)歌詞もMCもアラビア語のコテコテのアラブ風ポピュラー&
  ロックバンドの"Jadal" 
3)通常のロックバンド編成にバイオリンとウード(アラブ民族楽器)
  とタンバリン風の太鼓などのアコースティック楽器が加わる編成で、
  キーボーディストのAziz Maraqaが率いるアラブ風ジャズバンド
という具合。出演順からすると(3)がやはり目玉か。ジャズと言うより
ジャンル的には完全にコンテンポラリーなのだが、私ももともとそっち系の
音が好きなので(最近はSmooth Jazzとも言うらしいが)結構はまる音だった。
しかし、結局最後にアンコールで出てきたのはIllusionsだった。もっとアラブ
風ジャズの音を聴きたかったので残念。

Music
<Aziz Maraqaバンドの演奏>

しかしこう言ったコンサートでもご時勢を反映してか、会場は警察の警備つきで、
入場は金属探知機を通すというものものしさ。
私はあらかじめ警戒してカメラを持参していなかったので、後で後悔することに
なるのだが、他の入場者は平気でカメラを持ち込んでいた。
(私が撮った写真は携帯電話での撮影)
つまり金属探知機は録音と撮影機器の持ち込みに対するものでなくて、武器の
持ち込みを禁止するためのものだったという訳だ。

(きょうのトップニュースはイギリスでの航空機爆破テロを阻止した話で、
 BBCなど英国、欧州系の英語メディアは一日中そのことばかり伝えている。
 この件も、難航するレバノン停戦協議の一方で、イスラム急進派=テロリストの
 レッテル貼りを強化してイスラエル寄りの米国の姿勢を正当化するために、
 そして英国も「対テロ戦争」の戦線に居ることを再認識させるために企てられた
 のではと妙な裏読みをしたくなってしまう。英国のテロ専門家が、爆破事件は
 予防されたが混乱をもたらした時点でテロリストの目的は達せられたことに
 なると言うコメントをしていたのも気になる。対テロ戦争は終わりの無い戦争
 になることを示唆していないか。)

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2006.08.06

ジェニエよ、サイダよ、美しい町と人々よ(レバノンに想う)

イスラエルの攻撃で被害を受けているのはレバノン南部国境の町だけで
なくなって来た。カナの悲劇の後、連日続報が続く。
バールベックでは病院が被害を受け、ベカー高原近くでは出稼ぎのシリア人
農夫が被害を受けた。
そして、ベイルート北部までもが空爆に遭う。
橋が空爆されたと伝えられたジェニエの町はキリスト教徒の多い地区で、
小さな漁村で、2004年にここで私は海を眺めて休暇を過ごした。
そして、きょうはサイダ市に空爆の警告の紙が撒かれた。
サイダも地中海の海岸が美しい町だった。
どれほど美しい海岸であったかは2004年9月のブログを見て欲しい。

次々となじみのある町が攻撃目標になっている。
そこで出会った人々のことが心配で仕方がない。

4日の金曜礼拝に合わせてイラクはバグダッド市内、サドル師派の呼びかけた
レバノン反戦、ヒズボラ支持のデモには万単位のシーア派の人々が詰め掛けたと
報道されている。中東地域では今回のレバノン危機が発生して以来、最大規模の
デモとも伝えられる。(反米デモの色彩も濃いようだったが)

一方、市内の警戒の厳しい中で、スンニ派の人々も金曜礼拝に集い、スンニ派の
宗教指導者もヒズボラ支持を訴えたと聞くが、そういう話はニュースにならない
らしい。

2004beirut
(写真:2004年9月のベイルート、
 サブラ・シャティーラ難民キャンプにて。
 ここの子どもたちの現在の様子も心配だ)


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2006.08.04

2ヶ月ぶりのアンマン

2ヶ月ぶりにアンマンに到着。
ここは標高700mのために他の中東の地域と比べれば涼しい
ということで湾岸のお金持ちが避暑に来るところでもある。
そうは言っても気温は軽く30度を越えている。
夏の観光シーズンでもあって街中は交通渋滞も激しい。
金曜市場もいつも通りの賑わいだし、ダウンタウンでは
観光客目当てのジュース売りも出没している。

Photo

Photo_1

しかし今年の夏がいつもと違うのは、レバノン情勢の悪化に伴い
避難民が来ていることと、それと合わせたかのように、ヨルダン
政府がイラク人のヨルダン入国を厳しくしていることだ。
このために18歳以上35歳以下の男性(戦闘員の年齢層とみなされる)で
ヨルダン内務省が認めた許可証を持たない者は一律に入国拒否の扱いを
受けている。

レバノン情勢を受けて、アンマン市内でもパレスチナとレバノンの
市民を救うための基金集めの催しなども開かれていた。
(写真はバザーの会場の跡の立て看板)
Photo_2

イラクも、パレスチナ・ガザ地区も、レバノンもここ居るとすぐ近くだ。
今年の夏は極め付けに暑い夏になっている。

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2006.08.01

お出かけ中(ヨルダン行き)

おかげさまで30日のイラク人医師、専門家の講演会は60人近くの
方々にお集まりいただき盛況でした。講演の内容も科学者として
誠実で信頼がおける内容だという印象を受けました。

さて、翌31日に日本を出発しまして私は旅の空にあります。
ここのところ恒例のドバイ経由アンマン行きのルートです。
今回はアンマンには9月まで滞在の予定です。

Dubai0801

しかし毎度ドバイの国際空港ターミナルのショッピングモールには
驚きます。金製品から何から何でもそろっています。
しかし日本からここに来て、更にヨルダンに向かい、イラクの仕事をする
ことを思うと、毎度この石油の富の象徴のような豪華なショッピング
モールを見るたびに別世界だと感じる次第です。

機内で手にしたUAE(アラブ首長国連邦、この首都がドバイ「)発行の
英字紙を見たところで、トップニュースはレバノンのカナ市空爆による
民間人犠牲者の模様を掲載。BARBARIC(さしずめ「残虐」か「野蛮」か)
というタイトルがこのようなアラブ湾岸諸国の怒りを示しているようにも
見える。新聞の中身でも見開きの写真で空爆の被害を報道している。

Bar

私見ながら、アラブ諸国は今回のレバノン情勢を好ましくないと見つつも
決定的に情勢を変えるだけの力を持たないのも事実。これらの国の新聞の
強烈なイスラエル批判も、情勢に対して無力な自国の批判にも見える。
しかしその批判も人々の不満のガス抜きに過ぎず、決定力がないとすれば
徒労感を感じる。(逆に決定力がないだけにいくらでも過激に批判だけの
批判はできる?)

こういうことを考えて深読みが過ぎるとどうも自分の性格まで悪くなって
しまいそうだ。

8月1日日本時間12時 ドバイにて


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