« 2006年2月 | トップページ | 2006年5月 »

2006.03.25

TV番組について

25日(土)朝に放送されたTBS系『サタデーずばッと』について
感想を書きます。

冒頭から、前日に行われた国会での懲罰委員会での
永田議員「偽メール」問題に関する報道で多くの時間を割かれて
いたので、民間の日本人によるイラク支援の模様を紹介する
時間は当初の予定より短く、駆け足の内容になっていました。
(蛇足ながら、この偽メール問題に関する報道も、民主党による
調査を「遅い」として、真実を追究する立場からメール提供者の
氏名を公開した懲罰委員会での審議を是とするトーンで一貫して
いましたが、確かにわかりやすさとしてはその通りですが、
情報提供者の保護という面では大いに問題を残しています。
今回のケースでは情報提供者の真偽誠実に問題があったと
推測されますが、それを持ってなし崩しに何でも公表すべきなのか、
公表することによってむしろ民主党や永田議員が責任を回避している
のではないか、等々の問題があると思います。)

それでも、高遠さんの支援プロジェクトがイラク人の友人を
通して着々と進んでいること、最初は意見の合わなかったこれらの
イラクの友人も支援の実績を見て、協力するようになったことが
語られ、後半ではJIM-NETとしてアラブの子どもとなかよくする
会の西村さんなどがヨルダン支援するイラク人のガン患者
(アヤちゃん)の模様が紹介されていました。

下村キャスターによるこれらの支援の紹介を受けて、
スタジオでの議論になりましたが、結果的にこれらの
きめ細かな支援と、政府系の資金を受けてイラク支援事業を
行っているJICAやジャパンプラットフォームを対比する論調に
なってしまった様に見えました。
この対比は、話としてはわかりやすいのですが、単純化した
故の問題があろうかと思います。

自衛隊による「人道復興支援」と、政府資金を得て行う機関や
NGOの大規模支援と、小規模のNGOや個人の支援を同じ土俵で
扱うことの妥当性をキチンと検証する必要があろうかと思います。

そうでないと、支援結果を比較しての自慢大会に陥ってしまう
危険性があります。
少なくとも、私たちのような小規模NGOや個人の支援が、
このような自衛隊の実績PRポスターと同じ次元で競争する
必要性は全くないと思います。

sdf_post

(自衛隊によるイラク支援の実績説明ポスター 都内ターミナル駅で撮影)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.24

映画LittleBirdsのDVD発売とTV番組と

LittleBirds

24日昼、イラクに関する打ち合わせを終えて事務所の机を見ると、
そこに封筒入りで届いていたのが綿井健陽監督作品の
「LittleBirds-イラク 戦火の家族たちー」の映画のDVDでした。

タイミングの良いことで、このDVDは本日発売でした。
この作品ではバグダッドでの小児ガン・白血病への医療支援の活動の
模様を紹介頂いています。

本日発売のDVDではバグダッド滞在時の更なる秘蔵(?)映像や、
今年1月撮影の隣国ヨルダンからの医薬品発送の模様の一部が
収録されています。

ヨルダンからの医薬品発送作業と言えば、たぶん予定通りであれば、
明日(25日)朝のTV番組でもその模様が紹介される予定です。
ヨルダンからの帰国前日の3月12日に現地収録された映像です。

明日(25日)土曜日あさ5:45~7:30放送TBSテレビ 「みのもんたのサタデーズバット」でJIM-NETの活動や 高遠菜穂子さんの活動が紹介されるそうです。 ぜひぜひご覧ください。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.03.19

3-18イラク反戦集会

WPN0318

3月20日のイラク戦争開戦3周年を前にして、
WORLD PEACE NOW 3.18
 謝ってよ!ブッシュさん、小泉さん
 今すぐもどせ自衛隊 」に足を運ぶ。


イラクの現状を考えると、特にイラクに住んでいる人々に
とってみれば、3周年と言ってもほとんど記念日としては
意味をなさないという意見もとあるところで耳にしており、
私も実際、今の状況を考えるとこの意見に賛同せざる
を得ない。

そんな訳で集会に足を運んだものの、気分が晴れ
なかった。
主催者発表2,000人の参加者の盛り上がりも
なぜか他人ごとのように思えてしまい、日本とイラクの
温度差を感じるのは何故だろう、自分の立ち位置が
どちらなのだろうと問う今日この頃なのです。

たぶんそれは、自分が日本での最盛期のイラク反戦集会に
参加したことがないからかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.17

ファルージャ、カイム、タルアファール、そして...

第二のファルージャを繰り返して欲しくない。
今はただそう願います。
既に米軍は大規模攻撃を何度も繰り返しては
民間人の犠牲者を生んでいます。

何のことかと言いますと、

米軍は15日にバグダッドの北方100kmの町イシャキで
テロ容疑者を拘束するためだとして民家を攻撃し、
子ども5人を含む11人が死亡しています。
(16日、朝日新聞報道)

そして、米軍は16日には2003年の戦争後最大規模の
掃討作戦をサマッラ近郊で展開しています。
800名以上のイラク軍兵士と650名以上の米軍兵士で
合計1500名以上、200台以上の車両と50台以上の
ヘリコプター(AP電掲載の17日付けヨルダンタイムズ紙より)

このような大規模掃討作戦を展開して、多数の民間人
被害者を出した苦い教訓は生かされないのでしょうか。

この作戦名はOperation Swarmerと言うのだそうです。
Swarmerという単語も見慣れないのでWEB辞書を引いてみると
Swarmは”群れ”、Swarmerで”遊走細菌”という訳がでました。
こんなことばが当てられている作戦名にもげんなりします。

既にこの作戦のおかげで40名ほどの武装勢力を捕らえたとも
発表されていますが、”宗派対立”の犠牲者だとする公式発表が
信じられないのと同様に、これら発表数字も信じられないと
考えた方が無難です。

どうも相互不信の塊になってしまったイラク人の思いが伝染して
しまったようで、日に日に私もメディア不信が深まって行きます。

前回の記事で紹介したNGO声明を出したNCCIの最近の報告の
中にこんなことばを見つけました。
「もう死者の数を数えるのは止めよう。人道支援者としては、
生きている人々の命をどれだけ救えるかを考えた方が良い」
このことばの重さをかみ締めています。

【3月23日付け補足】
アル・イシャキの米軍攻撃による民間人被害者の数について
米軍発表とアルジャジーラなどの報道の間に食い違いが生じて
いることが報道されています。
このようなニュースもいったん日本に帰ると目を皿のようにして
探さないとなかなかつかまえ切れません。
日本でももっとイラク報道をはじめ海外ニュースの報道があって
しかるべきだと思うのですが、圧倒的に情報量が少なくなります。
日本は情報鎖国をしているのかと錯覚しそうになるほどです。


| | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.03.16

イラク支援のNGO声明

”暴力の連鎖”とか、”宗派対立”などと訳知り顔でステレオタイプな
ことばを使いたくないのですが、 このところのイラクでの出来事には
胸を痛めています。

アンマンを発った12日の晩にもサドルシティでの爆破事件で多数の
犠牲者が出て、それ以来連日報道は犠牲者の数のカウントに終始して
いるようにも見えます。

また、この間、クリスチャン・ピースメーカー・チームズ(CPT)のメンバーを
はじめとする人道支援活動家や援助スタッフの拉致、殺害が相次ぐ状況を
踏まえ、イラクで活動中のNGOでは声明を発表しています。

JVCのホームページでもご紹介していますが、ここにも転載しておきます。

***************

バグダッド
2006年3月13日
NCCI声明

イラクで活動するNGOは国民の和解、挙国一致と暴力の終結を求めます

毎日、イラクでは何十人もの紛争とは無関係の罪のない人々が殺害されて
います。先週にはこれらの人々の中で2名が援助従事者であることが確認
されました。

イラクで活動するNGOは、イラクでの国民の和解と挙国一致を求めます

 イラクで活動するNGOは昨今の殺害決行に引き続くこの機会に、イラク
 地域社会を引き裂き、破壊するようなイラクでの暴力の勃発を強く非難
 します。

 暴力の循環は住民の利益に反し、ごく少数の個人を利するだけです。

イラクで活動するNGOは、イラクで未だ誘拐されているか収監されている
全ての援助従事者や罪のない人々の解放を求めます

 イラクで活動するNGOは全ての関係者に、援助従事者が標的として
 狙われることなく、地元住民の生命を救い、イラクの復興を支援する
 ためにこの国に留まっていることを思い出していただきたいのです。

 2003年以来、少なくとも他に50名の援助従事者が殺害されて
 います。

イラクで活動するNGOはイラクにおける人権の尊重を求めます

 イラクで活動するNGOは、この愚かな暴力の犠牲者の家族に対して 
 哀悼の意を表明し、その出身や信仰のいかんに関わらず民間人に
 敬意を払うことを求めます。

NCCI(イラクにおけるNGO調整委員会)
(原文=英語、アラビア語)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.15

飛んでイスタンブール(2)

アンマン-イスタンブール間は2時間、ここで乗り継ぎ待ち12時間で、
イスタンブール-成田間は12時間という長旅でした。
イスタンブールでもイラクのニュースを耳にしてサドルシティの惨状を聞きました。
(ちなみにCNNはトルコ語放送なので聞き取れず)

機内ではトルコデイリーニュース紙(英字紙)を読む。
この土日でクルド人融和の会議が開かれていたとの記事あり。
しかし、「いわゆるクルド問題」という風に表記されていたり、
問題をクルド語の使用の可否やトルコ文化への融合の問題と
狭く取り上げていたりと、なかなかこの問題を取り上げると言っても
一筋縄ではないことが伺える紙面でした。

アンマンを出る前に、あるパレスチナ人の友人は、「トルコには
赤青黄色の三色の信号機はないと聞いている。なぜなら
この色はクルドを象徴する色だから」などと言い、固く信じている
ので、確認しましたが、ちゃんとトルコの信号機も三色ありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.14

飛んでイスタンブール

Istanbul

13日の晩と言いますか、14日の朝にアンマンを発ち帰国の途につきました。
ヨルダンの場合、日本からの直行便はないので(イラクのバグダッドには、かつて
JALの直行便が飛んでいた時期もあったようです)、ドバイなど湾岸諸国経由、
タイのバンコク経由などの南回りか、欧州大陸経由の北回りのルートで乗り継ぐ
しかありません。
今回の経由地はトルコのイスタンブール。
原油高で燃料代が高騰し、軒並み運賃が高い中で、値段を比較してこのルートに
なりました。
トルコは日本と友好関係にある国ですが、クルド人弾圧の激しさを聞き知っている
者としては複雑な心境です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.11

【特別シンポジウム】「私たちは、イラクとどう向き合うのか」

シンポジウムの案内をお送りします。
私も会場に足を運ぶ予定です。
...ということは、つまりもうすぐ帰国します。

■■■■■■■■■■■■■■ ■ ■ ■ ■ ■
湾岸戦争から15年 イラク戦争から3年 特別シンポジウム
「私たちは、イラクとどう向き合うのか」
■ ■ ■ ■ ■ ■■■■■■■■■■■■■■

今年は、1991年の湾岸戦争から15年目になります。そして
3月20日はイラク戦争から3年が経ちます。この15年間、イラク
に対するアメリカ・日本などの外交政策はどうだったのか、
そして市民が果たしてきた役割とは。現代イラク研究者の
酒井啓子さん、現場で活動してきた多彩なゲストを向かえ、
検証していきたいと思います。

酒井啓子 (東京外国語大学教授)
熊岡路矢 (日本国際ボランティアセンター代表理事)
柴田久史 (おかざき塾事務局長)
竹沢 顕 (NHK報道局国際部)
佐藤真紀 (JIM-NET事務局長)

日時:3月19日(日)15:00-18:00(開場14:30)

場所:カタログハウス セミナーホール
東京都渋谷区代々木2-12-2(新宿南口マインズタワー近く)
カタログハウス本社ビル地下2階

参加費 1000円(学生500円)、定員150名 
            
メールかファクスでお申し込みください。
FAX: 0263-46-6229(JIM-NET事務局)
E-mail: makisato@jca.apc.org(佐藤)

共催:
JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
通販生活・イラク医療支援
劣化ウラン廃絶キャンペーン(CADU-JP)

詳細はJIM-NETウェブサイトをご覧ください。
http://www.jim-net.net/

お問合せ先:0263-46-4218(JIM-NET事務局)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アンマンの冬は寒いのです

日本でアンマンの気候を想像すると、中東なので、夏が暑いイメージが
あると思います。他の中東諸国ほどではないですが、確かに暑くなります。
しかしここの冬の寒さはなかなか想像できないと思います。
しかしアンマンは標高700mほどあるので、夏は湾岸諸国からお金持ちが
避暑に来ますし、冬は寒いのです。雪も降ります。

暖房用には温熱によるセントラルヒーティングの備えのある家も少なくない
ですが、わがアパートはそのような備えがないので、頼りはガスストーブです。
昨年の冬はストーブを点けていなかったら家の中で息が白くなり、翌朝には
台所に置いておいたオリーブ油が白くシャーベット状に凍りかけていました。

Heater

ガスボンベは人が運んだり、車が巡回したりして売りに来ます。
調理用のガスボンベも同じ大きさの物を使います。
このボンベひとつが以前は3ヨルダンディナール(約495円)でしたが、
今年は3.5ヨルダンディナール(約580円)に値上がりしていました。

kitchengas

ちなみにイラクでは今、このガスボンベの価格が15,000イラクディナール
(約10ドル=1200円弱)と、非常に高価になっていると聞きました。

寒いからとストーブを一日中点けていると、このガスボンベでは
一週間から10日前後しか持ちません。意外に早くなくなります。

今年の冬に大活躍したのは日本から持ち込んだ使い捨てカイロと
プラスチック製の湯たんぽでした。

Yutampo

アンマンも3月になってから暖かくなり、日中は20度近くになるかと
思ったら夜間は結構冷え込みました。
先週からは砂嵐で曇り、ついに昨日はあられが降りました。
その後は冷たい雨にたたられています。

sunaarashi
<砂嵐に曇るアンマン市街>

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.03.03

「香田さん殺害容疑者逮捕」の報道について

「内戦寸前」とも「いや既に内戦状態だ」とも形容されている
イラク国内の事態を前にしながら、日本でのイラク報道がむしろ
別の件に関して熱心である様に見えるのには頭を抱えてしまう。
(”...様に見える”と書いたのは、私はヨルダンに居るので、正確には
 日本の報道ぶりがわからないからで、もっぱらインターネットで見た
 日本の報道対応の印象です。)

こらは、他でもない、香田さん殺害容疑者逮捕、起訴に関する報道に
ついての話である。
もともとのネタは”容疑者”の自白だとするイラキーヤTVの放送と
それを入手したNHKが発信源のようなのだが、しかし主な根拠はそれだけ
である。
今のイラク警察と内務省の能力を考えると、容疑者の自白を検証する事実を
挙げることができているのかどうかがまず疑わしい。
その上で、現地スタッフを通してとはいえ、逮捕されている容疑者がいとも
簡単に報道機関のインタビューに応じることができているということも変だ。
イラキーヤTVもいわば現政府の肝入りの官製放送局であり、他局や
他のメディアを通して多重チェックできる報道もない。

わずかなネタで報道を繰り返し、それがまた次の報道のネタになる報道の
堂々巡りが起きていないかどうかを危惧する。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年2月 | トップページ | 2006年5月 »