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2004.10.18

ラマダン(断食月)のはじまり

Moon.JPG
<ラマダン入り3晩目の月>

14日の日没(欧米式には15日)からラマダンが始まった。
その日の月を見てサウジアラビアから発表があって
決まるというのがややこしい。
私も実は14日の夜その日にヨルダン人の知人と電話で
話していて、この知人が教えてくれなかったら気づかなかった。

たまたま今年は一致したのだが、14日深夜(15日午前零時
~1時)からヨルダンでは夏時間から冬時間に切り替わり、
日本との時差は-7時間になった。イラクは10月1日から
切り替わっているので、この2週間の間はイラクとヨルダンは
時差が無かったことになる。(現在はイラクが+1時間)
何ともややこしいことだ。
明けて15日の日の出から日没までが断食になる。
これが1ヶ月続く。(正確には月の暦なので28日だと言う)

イスラームの聖なる月、ラマダンは、断食の勤めを通して
食事にありつけないひもじさを知り、貧しい人々の思いを共感して、
富める者は貧しい者に対して施しを行う月だという。
貧しさによる苦しみを身を持って体験して、平和を願う月に当たると
言ってもいいだろう。
私もこの思いを体験するために15日から絶食をしてみた。
水も飲んではいけないので喉が渇き、確かに苦しい。
これを1ヶ月も続けるとは信じられない思いだ。
(もちろん、日没後は飲食が許される。これを家庭料理で
楽しむのでこの月は食材の販売は増えるのだと言う。)

さて、イラクに関するニュースを見ていて残念なのは、
ラマダンに入ると宗教的な意識が高まるので、より戦闘的になり、
武装勢力による攻撃が増えるので、これに備えて治安安定を
図るのだという理屈でファルージャに対するここ数日の激しい米軍の
攻撃を正当化する論調だ。
確かに武装勢力の中にはそういう連中もいるかもしれないが、
それをイスラーム全体に拡大解釈するのは、理解を間違って
いるのではないだろうか。

ラマダンの本当の意味を理解すれば、それによって暴力的に
なるなどとは言えないと思う。実際に私の知るイラク人は
「ラマダンを平穏に過ごせます様に」と大書した横断幕を
バグダッドに掲示したいとまで言っていた。
断食の苦しさを経験してみて、素直にこの様なイラク人の
思いを共有する方が自然に思えて来た。

<ラマダン中は夕方には商店街も店じまい>
Street.JPG

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人間模様(アンマンの薬局にて)

11日のことなので、ちょっと前の話になりますが書いて
おきます。
この日は夕方から、アンマンでいつもお世話になっている
薬局店主のH氏と一緒に、近くのガンセンターで治療中の
白血病患者のイラク人の家庭を訪問。
JVCは主に小児白血病の患者さんの支援を手がけていますが、
この家庭のケースでは母親が白血病の患者さんでした。
幸いにもヨルダンでの治療費と滞在費は米国の基金から
お金が出ているものの、それ以外の生活費は自前なので
生活は苦しいと言います。
妊娠中に白血病と診断され、化学療法による治療を始めるか、
子供を諦めるかと言う瀬戸際のところで早産し、子供は助かった
ものの、今度は母親の化学療法が始まったため、免疫力の
弱くなった母親は子供を抱くこともできないと言う。
その子供が男の子と女の子の双子という訳なので、実は
私も男女の双子の一人である私としては親近感を抱きます。
その子どものミルク代やいざという時の保険代がまた家計を
圧迫しているのが大変なこと。
その母親が通院するのに、歩行が不自由なので、大通りを
挟んで反対側の近さの病院に通うのにもタクシーを使わなく
てはいけない。もちろんタクシー代は自己負担です。
これでは余りに気の毒なので困っていたら、近所で薬局を
営むH氏が好意でボランティアとして送り迎えをしてくれると
申し出てくれたので、打ち合わせの為にこの日は家庭訪問を
した次第。
母親の体調も考え、手短に打ち合わせを終えたので、
H氏の薬局に戻ってしばらく時間を過ごす。
H氏の薬局は結構繁盛している様で、しばらくの時間を過ごす
間にも、次々と来客があります。
この日の来客は特にまたこの国の人間模様を思わせる
ものがありました。

Mさんはガンの患者なのだと言う。3ヶ月前にも診断書を
見せられ、余命いくばくもないと言われたという青年の彼は、
しかし栄養状態も良く元気そうに見えます。
彼は「良く食べているからね」と笑う。
「人間はいつか死ぬんだ。それが早いか遅いかという差が
 あるだけで、それは大きな問題ではない。なら、別に早く
 死ぬからって心配することはないだろう?問題は人生を
 どう楽しむかだ」
と言う彼は、言葉通りに良く食べて人生を楽しんでいると
言う。果たして難病に罹って自分はそこまで強くなれる
だろうかと考えてしまう。

乳飲み子を連れた奥さん連れで来たAさんは南アフリカの
出身で、信仰の厚いムスリムだ。
子ども用のミルク瓶に貼ってある動物のイラストのシールが
気に入らない。
それほど気にしなくてもと言う店主(彼もムスリム)に対して、
彼は一歩も引かない。スピリット(動物の精)を象徴するものが
そこにあるのはハラーム(汚れたもの)だ、それがあるところ
には天使が降臨しないと言い、剥がして欲しいと言う。
私がシールを剥がすと、そのシールも浄化するのだと言って
ライターの火で焼くほど徹底している。
子供用のミルクに加えて自分用に精神安定剤の薬品を
所望する彼の話を聞いて驚く。
今でも結構若く見えるから恐らく20代の彼なのだが、曰く、
若かりし頃には無茶をしてドラッグにも溺れていたという。
その彼が家庭を持って落ち着き、そしてイスラームの信仰に
目覚めて変わったのだと言う。
精神安定剤の薬品は、今でも定期的に一定量の薬品を
服用することによって、昔の頃のドラッグの後遺症から
直るために必要なのだと言う。

別の日にこの薬局で会ったある女性も、精神安定剤を
買っていたのを思い出した。
その女性は、家計の貧しさからご主人公認で売春婦を
していて、そういう自分を忘れるひと時が必要で
精神安定剤を飲むのだと言う話だった。

薬局の店主も、現在のヨルダンで風邪薬と共に良く
売れるのは精神安定剤で、原因はわからないが、
それだけヨルダンの人々も精神的に病んでいるのだと
ぼやく。
これを聞いて、背景事情が違うとは言え、自殺者が
年間3万4千人を数える日本のことをふと思った。

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2004.10.13

「イラク復興支援信託基金ドナー委員会会合」に向けての要望書

10月13日より東京で開催されている「イラク復興支援
信託基金ドナー委員会会合」に向けて12日付けでJVCが
声明を発表しましたのでご紹介させて頂きます。

2003年10月のマドリッドでの復興支援会議で
復興支援信託基金が設立され、この、復興支援信託基金
会合の第一回目がアブダビで2004年2月、第二回はドーハで
20004年5月、第三回が今回の東京という位置づけになります。
(会議の正式名称が長いので、毎日新聞では、
 「イラク復興信託基金の第3回拠出国会議」と
 標記していますが、これが一番わかり易いと思います。)

以下、私の考えを交えてコメントします。

これまでの会合の実績と、事前に国連機関等から得ていた情報から
総合的に判断すると、名が体を表すと言いますか、会議の実態が
復興の名を借りたドナーの拠出金表明に終始することを懸念しています。
民間人の生活基盤が安定せず、むしろ「治安回復」の名の下に
掘り崩されている中で、治安の安定を前提とする復興・開発に関する
多額の拠出金に関する議論を進めることに懸念を覚えるものです。

一方で、治安状況の悪化から、国際機関の多くがイラクの現場に
国際スタッフを置くことができない現在、一方でイラクの現場の
事情に通じているはずのNGOはこの会合には参加していません。

今回の会合が真の意味でイラク人々の要望に応えた「復興支援」会合に
なるように願うものです。

なお、要請文中にありますイラク・ヨルダン国境のルウェイシェッド
難民キャンプについては以下の新聞記事もご参照ください。
http://www.mainichi.co.jp/osaka/jyugyo/kodomo/kyuuen/007-1.html


以上

原 文次郎
日本国際ボランティアセンター(JVC)
イラク プロジェクト調整員(ヨルダン、アンマン滞在中)


******* 以下、JVC発表の要請文本文です *******

2004年10月12日

外務大臣
町村信孝 殿

イラク復興支援信託基金ドナー委員会会合及び拡大会合(東京会合)に向けての要望書


昨年の3月に始まった戦争は、多くの破壊と犠牲者をもたらしました。その後も、連合国暫定当局(CPA)による占領政策の失敗から、暫定政権下でも過度に武力を重視して継続する「治安回復」等と、それに反発する武装勢力との間の暴力の応酬・連鎖によって、イラクの人々の生活は脅かされ続けています。

今年6月、主権がCPAからイラクに返還されましたが、治安は安定せず、最近では来年1月の移行国民議会選挙を控えて、反対派の封じ込めに米軍とイラク軍の武力による押さえつけが一層厳しくなってきています。ファルージャやサドルシティでは毎日のように空爆が続き、10月1日には中部サマラで米軍とイラク軍による掃討作戦が実施されました。この作戦で、米軍は「125名の武装勢力を殺害した」と発表しましたが、イラク赤新月社は「ほとんどが一般市民で、遺体が路上に散乱している状態」と報告しています。また、米軍や米軍に協力するイラク人を狙った「テロ」が多発。9月30日には、バグダッド南部では連続爆発事件があり、米兵から菓子を配られていた子供35人を含む42人が死亡するという悲惨な事件が起きています。開戦から今までで犠牲になったイラク市民の数は13,086人から15,149人に上ると言われています(Iraq body count 10月6日現在)。

 今回の復興会合では、①治安、②選挙準備を含む政治プロセス、③復興戦略の三つの復興課題が議論されます。私たちは、復興課題を話し合うには、イラクの人々の視点から生活回復と安定について議論することを基本的考え方にすべきと考えます。イラクは現在、ますます混迷の度を深めています。このような状況を見ていると、いつになったらイラクの人々が安心して暮らせるようになるのか憂慮の念を深めずにはいられません。「復興」は、今でも無意味に命を落とし、恐怖に怯えているイラクの人々の視点から考えるべきです。日本は、「人間の安全保障」を国際協力外交の柱としています。今こそ日本政府は、「イラクの人々を中心とする」姿勢を明確に打ち出し、ぜひ以下の諸点を考慮に入れ、この復興会合を真にイラクの人々のためにするよう求めます。

【要望事項】
1.民間人保護について
これ以上イラク市民の間に犠牲を出さず、生活回復の基盤を壊さないようにして下さい。戦争前の外交行動から自衛隊派遣まで常にアメリカに協力してきた日本は、現在の治安状況に対しても大きな責任があります。現在、来年1月の移行国民議会選挙を控えて、「治安回復」の名目で行われている米軍の武力行使は選挙実現に役立つどころか、多数の市民の命を奪い、彼らの生活基盤を破壊し、イラクのさらなる混乱と不安定化を導くものです。イラクの人々の生活回復は、政治プロセスの達成で終わるものではなく、そこから始まるものでもありません。また、現在のイラクの治安悪化と改善の困難さは、国連決議を無視した戦争の開始、民間人保護を軽視した占領政策など、ジュネーブ条約違反を含む基本的な国際規範を蔑ろにしたことに主たる原因があります。私たちは、国連アナン事務総長と同じく、何よりも治安は「法の支配」の確立がなければ回復しないと考えています。日本政府は、米国に対し武力行使を即時中止し、国際法など「法の支配」に基づいた民間人保護を徹底するように働きかけて下さい。

2.「復興戦略」について
「復興」については、私たちの現場活動及びイラクの人々から知り得た以下の課題への対応を考慮して下さい。

1) 基本的な生活ニーズ(Basic Human Needs)への対応を中心とした人道支援を優先させること。また、武力衝突などで被害を受けた地域や人々への救済を何よりも高いニーズとして優先する。しかし、その実施にあたっては、武力行使ととられかねない軍隊や自衛隊が行うのではなく、中立性をもったNGOや国連機関などによって行われるべきである。

2) 人道支援を最優先にした上で、湾岸戦争から今回のイラク戦争によって創り出されたイラクの特別なニーズに応えること。例えば、イラクでは劣化ウラン弾の放射能が原因と思われるガンや白血病など、難病の子どもたちの数が増えており、特別な支援が必要。今回の戦争でも劣化ウラン弾が使用されたこともあり、さらに増える可能性がある。予防の観点からも、関連情報の早期公開を米英両国政府に求めると共に、放射能汚染の調査と除去を行うこと。

3) 戦争によって国を追い出された難民への早急の対応を行うこと。
今回の戦争で難民になった人たちが、ヨルダンのルウェイシェッド難民キャンプに521名、イラクとヨルダンの国境の無人地区(ノー・マンズ・ランド)に、761名が一年半もテントで暮らしている。砂漠に位置する難民キャンプは非常に環境が悪く、解決に向けて国際社会の積極的な介入が望まれる。特に、日本政府はイラク戦争開始前に、難民支援を行うと表明しており、改めてこの約束を実現すること。具体的には、彼らが人間的な生活に戻れるように、
①支援国間で、包括的に第三国定住を受け入れる話し合いを持つ。
②現在の難民キャンプの生活環境改善に早急な支援を行う。

最後に、私たちは、復興会合ではイラクの人々を中心に議論すべきで、会合を大義なき戦争を正当化する政治目的に利用してはならないことを強調しておきます。この戦争に一貫して反対してきた私たちは、今回の復興会合にとどまらず、現在の混乱状況をもたらしたイラク戦争とは一体何だったのか、実際にイラクの人々の暮らしはどのように変わったのか、そのことを真摯に捉えなおし、戦争の不当性を問い直すべきであると考えていることを付け加えておきます。


日本国際ボランティアセンター(JVC)

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2004.10.11

イラク医療緊急支援報告(10月7日~9日までの実績)

10月6日までの報告に引き続き、イラク緊急医療支援の
10月9日までの実績報告です。

10月7日(木)
  17:51  S氏より報告のメール着
   (日本語訳)
    今日、第2弾の物資を買いました。昨日ファルージャの
    病院から要望を受けた品目のほとんどの物が
   (バグダッドで)見つかりました。これらは土曜日の朝に配ります。
   (それまでの間)今は私の家に置いてあります。
    サドルシティ向けの非公式の病院(注:臨時の野戦病院を
    指すと思われる)向けは今晩配ります。(アブナイデスカラ)
    このメールに添付のファイルを見てください。

  【メールに添付のファイルの説明】
   1.第一弾の配布物のサドルシティ病院からの受取書
      医師が日本の人々に謝意を表していますので、その
      コメントを見てください。
     <医師のコメント部分の日本語訳: 
       「私たちはこの医薬品の受け取りを証明すると
        共に日本の人々とこれらの日本からの医薬品に
        感謝します。なぜならこれらはイラクの人々の
        ためのものだからです。」>
Sadr1006.JPG

   2.第2弾の購入品の報告書
   3.これまでに済ませた仕事のまとめ

   ありがとう。これで私は二日の休息を取ります。
 
 20:00過ぎ S氏に電話で状況確認
   S氏を含むバグダッドの協力者複数の報告で、アラビア語の
   衛星放送メディアが、ファルージャの反政府勢力と暫定政府の
   間で土曜日にも停戦交渉が成立するとの報道を流しているとの
   報告がありました。この報道に関する感想を聞くと、
    「ファルージャの住民をはじめとして、イラクの人々は
     暫定政府の言う”停戦”を信用できないと感じていると思う。
    なぜなら今までも何度も裏切られて来たから。
    米軍もこのところのファルージャ空爆で疲弊しているので、
    名目上の停戦でもって休息を取り、その後に空爆を再開する
    ための一時しのぎの政治的な戦略ではないかと疑っている。」
   との返答が帰ってきました。
   この感想を聞いても、まだまだ状況が落ち着くまで時間が
   かかりそうだと感じます。

これまでの報告にサマッラが登場していませんが、
サマッラ現地からの連絡で聞いているところでは、
病院で手当てを受けている傷病者はそれほど多くなく、
病院の備蓄でほぼ医療品は足りているとのことです。
数点のものを除けば手に入るので、サマッラに関しては
ファルージャほどの緊急性は今のところないと判断して、
支援物資の納入先は当面はファルージャとサドルシティ
向けにしているとの報告を受けています。

10月8日(金曜休日)
午前2:00頃にサドルシティの野戦病院向けへの
第2弾医療物資の配給を完了。

  8日は金曜日なので、イスラームの休日で、大きな
礼拝のある日です。
昼過ぎにS氏より電話がありました。
開口一番、バグダッドの今日(8日)は静かだと言うので、
今日は何とか爆撃や爆破事件がなくて良かったと言う
意味かと思ったものの、よくよく聞いてみると、そういう
  意味よりも、街中の交通が少ない、人々が外出を避けて
  息を潜めているという意味の様で、まだまだ事態の
  深刻さを伺わせます。

10月9日(土)
S氏は予定よりも早く、9日に突然アンマンに
やって来ました。
  11:00(アンマン時間10:00)に電話があり、
「今、イラク・ヨルダン間の国境に居ます。」との
 連絡があり、その日のうちにアンマンに到着。

以下は9日夜にアンマンで直接お会いして伺った話です。

「バグダッドとヨルダン国境を結ぶ高速道路10号線の
  ラマディ-とファルージャの間は、午前6時半から
 8時までの時間が危ないので、これを避けて午前5時に
 バグダッドを出て危険な時間帯の前に通過した。」

「国境までの道は何も異状はなかった。早い時間帯に
出て来たせいか、国境でも車は自分も含めて2台しか
おらず、待ち時間なく簡単に通過できた。」
(ちなみに、混雑する場合に国境でまともに待ったら
 炎天下で5時間待ちが普通です。)

この日、9日にもファルージャへ第2弾の支援品配給を
行いました。
(12:00(アンマン時間11:00)に報告電話が着信)
これにより、現時点で、ファルージャとサドルシティへの
各2回の配給で$7,400‐余りの支援を実行したことに
なります。

9日には、バグダッドのセントラル教育小児病院の
モハメド医師からの更なる要望リストが届いたので、
今後これらの支援依頼にも対応して行きます。

モハメド医師の要望分も含め、今後予想される追加支援も
含めてとりあえずは総額$12,000-の支援実行を行い、
その後、更に支援先の現場の要請を聞いた上で調整を
 行うことにしました。

<写真: ファルージャ総合病院の受取証
     (10月9日納入)第2弾>
Fallujah1009-1.JPG

Fallujah1009-2.JPG

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イラク医療緊急支援報告(10月6日までの実績)

Fallujah1006.JPG
<写真: ファルージャ総合病院の受取証(10月6日納入)>

緊急で募金の呼びかけをさせて頂いているイラク医療緊急支援ですが、
お金の集まるのを待つ間もなく、現場での支援を先行させています。
イラク人協力者のおかげで現場での動きがスムーズなのには
私も驚くほどです。以下にバグダッド時間で時系列順に書いてみます。

10月2日(土)
 13:45  バグダッドのモハメド医師より緊急要請メール着信
19:30頃 バグダッド在住の協力者S氏に原より電話連絡

10月3日(日)
  0:17 S氏より支援提案書がメールで到着

【日中に日本側と提案の可否と募金の取りまとめ方法を打ち合わせ】

18:18  S氏に提案書通りで実行OKとメールで回答
21:00頃 S氏に電話確認。回答メールは読めていないことが判明。
  第一声は「元気ですか?私は今のところは元気だけれど、
  明日はどうかわからないよ」というもの。
「散発的に銃声がする。電話の向こうで聞こえるかい?」とも。
銃声はノイズで良く聞き取れなかったものの、救急車の
  サイレンの音は聞き取れました。
 
今でも4X2でしか電気が来ないということで、電話をした時も
ちょうど停電中の時間帯なので、メールがタイムリーに読めて
連絡が取れる状態ではありませんでした。携帯電話は充電式
なので、電池が持つ間はかろうじて電話がつながるという状態。
(4X2は、4時間送電、2時間停電の意味。バグダッドでは、
 かつて、ひどい時には電気が来る時間の方が短い2X4の時も
 ありました。)

 結局バグダッド時間4日の朝から動き始めて、48時間で
 物資の調達、その後24時間以内に送り届けるとのこと。
 予定では届け先はファルージャはファルージャ総合病院、
 サドルシティは特設の野戦病院になるようです。
(普通の病院は病院に向かう途中の経路が危険で
行けないのと、病院で米軍に捕まるので行きたがらない
のと両方の理由で患者が行かない)
 提案は実行可能な案として書かれていますが、実際には
 現場からはこれ以上の品目数と量が要望されていますから、
 実行計画は必要とされているもののごく一部ということに
 なります。
 もちろんごく一部でも日本からの支援は感謝されています。

【10月4日~5日:必要物資をバグダッド市内で調達】

10月6日(水)
  0:09 S氏より購入実績の連絡メール着(総額$3880.44-相当)
13:57 ファルージャとサドルシティへ第一弾を無事に配布した
    との第一報到着
16:51  ファルージャ総合病院から物資の受領証と、追加支援の
    必要品リストを入手したとの連絡(S氏メール)
   【10月5日購入の総額$3880.44分より一部を配布】

   (日本語訳)
    ちょうどファルージャ病院から物資の受取書と、
    更に緊急に必要な 物資のリストを受け取りました。
    添付ファイルの受取書を見てください。
    下記の物資が彼らの(更に)希望しているものです。
    これは私たちが配ったものとほとんど同じですが、
    更にいくつか新しいものがあります。
   ( 希望の品が今日配ったものとほぼ同じということは)
    今日配った分でも私たちは正しい、良い仕事をした
    ことになります。
    下記のものが必要とされています。
    <以下リスト。翻訳は省略>

    電話で確認したように、2-7番の物資を買い、明日
   (注:7日)ファルージャ病院に届けます。サドルシティの
    病院にも同様のことを行います。
    何かお気づきの点がありましたらお知らせください。

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2004.10.10

イラク緊急医療支援への協力のお願い

昨日(9日)より、バグダッドのサドルシティで
サドル派民兵とイラク暫定政府の間の停戦合意が
成立して以来、目だった戦闘は起きていないと聞きます。
この状態が続いてくれる様に、固唾を呑んで見守って
いるところです。

しかし、これに先立つ戦闘と、今も収まっていない
ファルージャの戦闘などで多数の一般市民の死傷者が
出ています。

私の仕事は現場での支援作業が優先なので、日本での
広報作業に一歩遅れましたが、この場でもイラク緊急支援の
ご案内をさせて頂きます。ご協力をよろしくお願い致します。

        *************

JVC(日本国際ボランティアセンター)が緊急救援を開始

皆様もご存知のようにイラク情勢が緊迫しております。
ファルージャやサドルシティでは毎日のように空爆が
続いています。
またサマラでは、10月1日から米軍、イラク軍を投入した
反米勢力掃討作戦では2日間で125名のテロリストを殺害
したという発表がなされていますが、病院側の発表では
多くの一般市民が含まれているとの情報もあり、赤新月社の
スポークスマンは攻撃を逃れ避難した500世帯が食料や
水のない状況であると報告しています。

これは、来年1月の選挙を予定通り行うために、米軍が、
選挙を妨害しそうな反米勢力を壊滅させようという戦略です。
アメリカも大統領選挙を控え、イラク戦争の成功を訴えたい
というブッシュ政権の意向も強く反映されています。
日本の外務省も、こういった選挙が日程通りに行われる
ことを強く望んでおり、復興の弾みにしたいという意向の
ようですが、私たちは武力の行使は選挙に役立つどころか
多数の市民の殺害と破壊をもたらし、イラクのさらなる
混乱と不安定化を導くものと考えます。

実際、武装勢力側の抵抗や、自爆テロなども多発しており、
9月30日には、米軍を狙った爆発で、周囲にいた人たち
42名が死亡、37名はお菓子などをもらいに来た子ども
だったという悲惨な事件も起きています。
これから選挙まで、こういった衝突は続き、一般市民の
犠牲者が増えることが予想され、それにともない医薬品の
不足が心配されます。

そんな矢先、バグダッドのセントラル小児教育病院の
ムハマド医師より、緊急救援を要請するアピールが
メールで送られてきました。さらに、現場でのJVCの
イラク人協力者にも打診して最低限必要な薬や医薬消耗品
などのリストをあげてもらいました。

ファルージャ総合病院、サドルシティ、サマラ(この2箇所は
赤新月社などの野戦病院)に総額で約130万円の医療消耗品の
支援を行うことを決定しました。

日本国内のNGO、セイブ・イラクチルドレン・札幌、
セイブ・イラクチルドレン・名古屋、イラク・ホープネット
などにも声をかけ現在資金集めを行っています。
佐藤真紀・伊藤和子で編集した『イラク「人質」事件と
自己責任論-私たちはこう動いた・こう考える』の印税も
使用する予定です。今回の要請は最小限に見積もっている
ことと、今後更なる必要性が出てくることも考えて、
第2段、第3段の医療支援のための資金も集める必要が
あります。

対象となるのは、上記の箇所のみとは限らず、今後
攻撃された地区によっては、白血病といった難病の
子どもたちの薬も滞る可能性があり、柔軟に対応したいと
思います。

募金目標金額:300万円
実施:JVC(日本国際ボランティアセンター)  
現地での協力:イラク・ホープ・ネットワーク
       PEACE ON(ピースオン)

プロジェクトの実施は、JVCが行いますが、イラク・ホープ・
ネットワークからのボランティア協力も期待しています。
ヨルダンでイラク人協力者(アンマンで落ち合う予定)と
調整しながら進めていきます。

実際にはJVCの原文次郎と高遠菜穂子(イラク・ホープ・
ネットワーク)がヨルダンで一緒に動くことになります。
イラク人とは電話とメールで連絡を取るとともに、
彼らがアンマン(ヨルダン)に出てくることになって
います。

募金先:
  郵便振替:00190-9-27495
  加入者名:JVC東京事務所
    通信欄:『イラク緊急』とお書きください。
問い合わせ:佐藤真紀(JVCイラク担当)
      日本国際ボランティアセンター
電話:事務所 03-38342388  
メール:makisato@jca.apc.org


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2004.10.05

ヨルダン式国勢調査は?


Census.JPG
<調査済みの印としてドアにステッカーが貼られる>

午前中からアパートのチャイムが鳴る。
チャイムと言っても鳥のさえずり声のような音が
するもので、他の家にもこれがあったので、
ここアンマンではありふれたものであるらしい。
我が家の場合が特別なのは、訪問者と言えば
家の窓掃除をしに管理人が来るとか、家賃の支払いの
関係で家主であったりということがほとんどなので
来客と言うのはかなり珍しい。
何事かと思って出ると、アンケート用紙を持った
男女計2名が管理人と一緒だった。用紙は大きいので、
持っていると言うより抱えていると言う方がふさわしい。
用件は国勢調査だと言う。調査員はMinistry of Statistics
(日本語に直訳すると“統計省”)から来ていた。
国勢調査?そういえばそういうものがあるらしいとは
聞いていたが一時滞在中の自分の身に関係があると
思っていなかったので、いまひとつピンと来ない。
ピンと来ないまま、しかし興味を抱きつつアンケートに
答える。
質問内容は氏名、誕生年月、既婚/未婚か、そして職業/
勤務先を聞くあたりは普通だと思うが、その次に宗教を
聞いてきたのはなるほどこちららしいと思う。
キリスト教かと聞いて来たので、そうではないと言い、
結局仏教徒ということにした。信仰を普段意識していない
自分としては変な感じだ。それ以上深くは聞かれなかったので、
宗教の中でも何派というところまでは質問項目にはないらしい。
あるいはイスラム教徒とかキリスト教徒と答えたとしたら、
それ以上聞かれたのだろうかと疑問が残った。
そして次が学歴。大学卒と答えるのはよしとして、更に
専門まで聞かれたのは興味深いところだ。専門を聞くことに
どのような意味があったのだろうか。
ヨルダンの大学は最近まで私立大学がなかったことや、
専門の中でも実用的な工学、医学、薬学など理科系の科目に
人気があると言う話をここで思い出した。
私の場合はここで質問が終わりで、終わってみると意外に
単純で拍子抜けした。

しかし、こういう調査の結果が政策決定の材料として
使われたり、選挙人登録の参考にも使われることがあるらしい。

選挙人登録と言えば気になるのはイラクの選挙のことだ。
イラクでもこの様な形で調査できるのだろうか?
実際に来年の選挙のための調査と登録はPDS(食糧配給
システム)の配給所で、食糧配給名簿を元に行われるという。
そうなると今度は選挙を妨げようとして食糧配給所を
狙う輩が出て来ないとも限らない。そうなると選挙もともかく
本来の食糧配給の方に支障が出てイラクの一般市民が困る
ことにならないかと今から心配だ。

その様なことをつらつら考えながらニュースを見ようと
TVをつけたらトップニュースは今朝(4日朝)起きた
バグダッド市内2箇所での自動車爆弾の事件だった。
1発目がグリーンゾーン近く、そして2発目は私も
なじみのある外国人の多く泊まるホテルのすぐ外側の
目抜き通りだった。
相変わらずと思いつつ、しかし相変わらずゆえに、
この種のニュースにだんだんと慣らされてしまう
自分が怖くなる。
早速電話するが、バグダッド市内の知り合いは無事。
しかしラマディには電話がつながらず心配が募る。

写真: 統計省前の街頭(国勢調査のポスター)
census_p.JPG

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2004.10.02

イラク人医師の話を聞く(バグダッドの近況)

診療所の近所にも迫撃砲が着弾
Attack.JPG

29日にバグダッドからイラク人医師がエジプトでの
国際会議参加の旅の途中でアンマンに来られたので、
30日にお会いしてお話を伺いました。

(専門的な話は日本イラク医療支援ネットワーク
(JIM-NET)のBlog
に掲載したので、そちらを
 ご参照ください。)
http://www.doblog.com/weblog/myblog/18838

一行は29日に車2台に分乗してバグダッドから陸路で
12時間かけてアンマンに到着しました。
途中は何ともありませんでしたが、今の治安情勢の
下ではイラク人と言えども安心はできなかったとか。
国境ではヨルダン入国の待ち行列が長く、まともに待ったら
炎天下で5時間待ちもざらだと言います。
この状態は私が陸路で往復が可能な昨年の今頃に移動した
時と大きくは変わっていません。

最近の外国人人質事件の話を聞いてみると、次の様な答えが
返って来ました。
「人質を取り、惨殺する勢力をイラク人は支持していない。
イラクの安定を妨げようという動きがあって、イラク人の
殺傷を厭わない勢力があるけれども、これもイラク人の
大半は支持しない。
イラク人でも一部の過激な者がこうした動きを支持して
いることは否定しないが、実際に過激な行動を指揮して
いるのは外国からのイスラム武装勢力か、あるいは
米英の謀略であると思っている。」

ある医師の個人診療所はサドルシティに近く、9月24日(金)
には武装勢力が道路封鎖の米軍とイラク警察を狙って撃った
迫撃砲が飛び過ぎて診療所前50mのところに着弾したとのこと。
幸い金曜は休診日なので、出勤しておらず大事はなかっという
ことで一安心。
この種の話を含めて、バグダッド市内が危ないという話はすぐ
ニュースになるが、幸い24時間至る所で弾が飛び交っている
わけではないので、普通の市民生活も営まれている。
そういう話はニュースにならないので困るとのことでした。
(注:イラクでは医師や学者の誘拐も後を立たない事情があるので、
上記の話しも大事を取って、発言者の個人を特定しない形で
紹介させて頂きました。)

冒頭の写真はドクター手書きの迫撃砲着弾の説明図。
説明は下記の通り。
ファイルのダウンロード


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バグダッドのドクターより最新情報

(お断り)
この原稿はもともとJIM-NETのBlog
http://www.doblog.com/weblog/myblog/18838
に掲載用の原稿として書かれたものですが
こちらにも掲載します。重複掲載ご容赦ください。

10月1日よりエジプトのカイロで開かれるガンの専門家の
国際会議に出席のため、イラクの医師5名が29日に陸路で
バグダッドからアンマンに出て来られたので話を伺いました。
                    (報告:JVC原)
今回アンマンに来られた医師
(丸印は8月のJIM-NETアンマン会議参加者)

Dr. Salma Haddad(こども福祉教育病院)
〇 Dr. Mazin Al-Jadiry(同上)
〇 Dr. Ibrahim Al-Nassir(セントラル教育病院)
〇 Dr. Jaffar Al-Ghaban(同上)
  Dr. Mouroge (同上)

日程: 10月1日から6日までカイロで国際会議
    6日に再びアンマン着、7日にバグダッドへ戻る

カイロの会議はInternational Network of Cancer Research and 
Treatmentという団体(本部はベルギーのブリュッセル)の
主催で欧米をはじめガンの専門家が揃い、研究発表をされる、
どちらかと言えば支援会合と言うよりもアカデミックな
会合のようです。子どもと大人のガンの両方の会議とのこと。

イラクからは上記のバグダッドの医師のほか、モスルから
17名も参加予定。(モスルからの参加者はイラク北部から
シリアのダマスカスに行き、そこからカイロに飛びます。)

<9月30日確認事項>

1)薬品の支援希望(今回)
いずれも数字は1ヶ月分の必要量
             セントラル病院  子ども福祉病院

 Dacarbazine(200mg)   30vial     30vial
 Actinomycin-D      40vial     40vial
 以上2件は抗ガン剤

 Vancomycin       200vial   200vial
 Fortum       使わず       200vial
以上2件は抗生物質

Methotrexate 確認する   緊急要請なし(在庫あり)
 Vinblastine 確認する  現時点で不足なし
 以上2件は抗ガン剤

6MPやMethotrexate、ATRAなどの白血病治療薬は
保健省/Kimadiaからの供給ルートが次第に回復して
来ているほか他の国のNGOからの支援が期待できるので、
相対的に緊急性が低くなって来ています。
(そうは言いつつ、では保健省ルートが立ち直るのがいつかと
 聞くと2005年の半ばとか2006年という答えが返って来ましたから
 当面は緊急支援の枠組みそのものは必要でしょう。)

今回緊急性が高いとして具体的に必要量が示された抗ガン剤は
白血病に限らず、主にリンパ腫の治療薬です。
保健省ルートからの供給は全くなく、これがないと治療に差し支える
とのこと。また、抗生物質も引き続き必要とされています。
 
「AML-M3(急性骨髄性白血病M3タイプ)の場合はATRAが
劇的に効くので、戦前には薬の不足で治せなかったのが、
戦後の1年半で既に10名が生存(survive)した。
他の白血病治療薬の場合は、組み合わせで使うこともあって
治療薬があるおかげでこれだけ治療成績が上がったとする
統計を取るのが難しい。」(Dr.Mazin談)

とりあえず今回の要望内容についてJVCの予算内でカバー
できる分は7日のバグダッド戻り時にアンマンからドクターに
持ち帰っていただく方向で手配します。

2)機材の現状
 2-1.消耗品(静脈注射用の針や点滴セットなど)
  特に今回要望はなし。
  「今まで認めていなかった病院の独自予算での市場からの
調達が保健省から許可される様になったので、緊急時には
  バグダッドの市場から直接購入することが出来る様になった。
  おかげで今後NGOに支援要請をするケースは減ると思う。」
                             (Dr.Mazin談)

 2-2. 機材の要望
  Blood Cell Separator(血液成分分離機)
  => 保健省から調達できる目処がつきそうとの話がある
      一方で、時期的には来年など先のこととなる公算が大。
      従って今年中であれば引き続き緊急の必要性はある
      見込み。

  Microscope (光学顕微鏡、教育用)
  => 各病院に1台で十分。ただし4人が一度に覗ける
      教育用の仕様であることが必須条件

  Cytocentrifuge for cerebro-spinal fluid analysis
=> セントラル病院には必要性が高い。
      子ども福祉病院は近所にあるラボに現在1台あり、
      共用しているので必要性は相対的には低いが、
      JIM-NET側の予算に余裕があればぜひ欲しい。

  Flowcytometry
  => 各病院に1台ずつ必要

<写真はドクター手書きの議事録メモ>
Giijroku.JPG

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バグダッドのドクターとのやり取り

(お断り)
この原稿はもともとJIM-NETのBlog
http://www.doblog.com/weblog/myblog/18838
に掲載用の原稿として書かれたものですが
こちらにも掲載します。重複掲載ご容赦ください。

6MP1001.JPG

JIM-NET参加メンバーでJVCイラク現地調整員の原は
イラクの隣国ヨルダンのアンマンに滞在しながら
イラクの小児ガン・白血病専門病棟のドクターと
連絡を取り合い、これらの病院への支援を続けています。

最近の例で、バグダッドの子ども福祉教育病院
(旧称マンスール小児教育病院)のマーゼン医師との
メールのやり取りを報告します。
イラクの病院の薬の不足している状況や、最近続発している
外国人人質惨殺事件などの治安問題の状況についても実情が
伺えます。
なお、このやり取りの後、無事に薬は予定通りに9月25日に
病院に届けられました。(写真参照)

原 文次郎
日本国際ボランティアセンター(JVC)
イラク プロジェクト調整員(アンマン滞在中)

**************************
(メールの原文は英語です。原が日本語に訳出しています。)

1) 9月20日 マーゼン医師よりJVC原へ

 文次郎へ
助けを求めます。6MPを送ってもらえませんか。この薬は
もう病院に無くなって来ていて、今までこの薬を寄付して
くれていたBlessing International (注:米国のキリスト教系NGO)
からの出荷の話は聞こえてこないので。
私たちの病院の月間の必要量は6,000錠(ボトル約240本)です。
でも、Blessingからの回答を待っている間はこの半分の量でも
結構です。
返答をお待ちしています。この薬品がどれほど白血病の治療に
欠かせないものであるかはあなたもご存知の通りです。

 マーゼン

2) 9月22日 JVC原よりマーゼン医師へ
 
 マーゼン先生
このところの週にバグダッドで起こっている深刻な暴力的な事件に
悲しみを覚えていることをお伝えします。
私はちょうど昨日、レバノンのベイルートから戻って来たばかり
です。
120本の6MPをアンマンより明日出荷する予定です。そしてA氏
(注:原文は固有名詞)に土曜日にあなたの病院に届けてもらう
つもりです。
もしこの予定に変更が生じたら連絡します。

 原 文次郎

3) 9月23日 マーゼン医師よりJVC原へ

 文次郎へ
サルマ医師も私もあなたの親切なお気持ちに感謝しています。実際、
私たちもイラク人であるなしに関わらず民間人に起きている出来事に
同様の悲しみをおぼえます。
私たちはアメリカの侵略を非難しますが、しかし、それは無辜の
人々を殺す言い訳にはなりません。
抵抗運動(レジスタンス)であると言われ、メディアによって
国民的なヒーローの様に見せられている者が過激派のギャングや
旧体制の信奉者やアラブの闘士以外の何者でもないことは
(イラクの)内部の人々だけは良く知っています。
ファルージャの(これらの人々から)あなた方が身を守ろうと
している悲劇や恐ろしい犯罪を引き起こしている犯罪者までもが、
私が数多くの病院の患者さんから聞いているところでは
これらの分野からやって来る人々です。
6MPについては既に40本をキマディア(注:イラク保健省からの
正規の配給のこと)から受け取っていますから、これとあなたの
供給分とを合わせて、Blessing Internationalからの出荷分が
ここ数週間のうちに到着することを期待してこの薬品の1カ月分を
カバーすることになります。
恐らく9月29日にアンマンに到着して、10月1日にガン会議のために
カイロに向かうことになるだろうということをお伝えしたい。
近いうちにお会いできますように。

 マーゼン

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